すずは銀白色の金属で軟らかく展延性に富み溶融温度が低い(231.9℃)ので、熱で溶かしたすずの中に被めっき物を浸せきして、容易に溶融めっきができます。
このようにすずを表面に被ふくさせることを「すず引き」ともいいます。
銅素材のめっきでは、置換めっきとよばれる無電解めっきが実施されています。
このようにすずのめっき法は、種類が多く、溶融めっき、無電解めっき、電気めっき、金属溶射(メタリコン)などがあります。
すずめっきの用途は、すずは人体に無害なので、食器、缶詰用薄鋼板にめっきされ、はんだ付け性がよいので、電気部品、電線などにめっきされ、固体潤滑剤としての効果があるので、機械部品のしゅう動部分にめっきされてます。
電気めっきの溶組成は、酸性浴として、硫酸浴、ほうふっ化浴、スルホン酸浴、アルカリ性浴として、すず酸塩浴、ピロりん酸塩浴などがあります。
一般的には平滑な鏡面光沢が得られる硫酸浴が多く使用されています。
アルカリ性浴では光沢めっきができません。
なお、アルカリ性すずめっき浴は「スタネート浴」ともよばれています。
写真:電気めっきガイド’95より
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